『閃乱カグラ』シリーズといえば忍者アクションのイメージが強いですが、その中でひときわ異彩を放っているのが『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』(通称PBS)です。2017年3月16日にPS4向けに発売され、2018年3月8日にはSteam版も配信された本作は、なんと水鉄砲を武器にしたシューティングゲームというまさかのジャンル転換で登場しました。今回はこのPEACH BEACH SPLASHについて、その特徴やゲームシステムを紹介していきます。
シリーズ初の”水鉄砲シューティング”という挑戦
PEACH BEACH SPLASHは公式に「爆乳ウォーターバトル」というジャンル名を掲げていますが、その実態は水鉄砲を用いた三人称視点シューティング(TPS)です。忍法帖による変身や着崩れといったシリーズおなじみの要素は残しつつ、戦闘手段を刀や忍具から水鉄砲へと大胆に変更したのが最大の特徴です。忍者学園の少女たちがビーチを舞台に水を撃ち合うという設定自体がユニークで、シリアスな忍者アクションとはまた違った、開放的で賑やかな雰囲気を楽しめる作品に仕上がっています。シリーズのファンからすれば「まさかこう来るとは」という驚きのあるスピンオフだったのではないでしょうか。
舞台は「陽の世界線」――ESTIVAL VERSUSのその後を描く物語
本作は『閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS -少女達の選択-』の続編にあたる物語として描かれています。興味深いのは、この作品によってシリーズが複数の並行世界(世界線)を持つ設定であることが明確化された点です。PEACH BEACH SPLASHは、その中でも「陽の世界線」に分類される、比較的明るい雰囲気の未来が描かれる派生ストーリーという位置づけになっています。シリアスな展開が多かった本編とは異なり、キャラクターたちが水鉄砲バトルという競技を通じて交流を深めていく、肩の力を抜いて楽しめるストーリーになっているのが本作らしいところです。
10種類のウォーターガンと「濡れゲージ」システム
ゲームシステム面では、10種類ものウォーターガンが用意されており、それぞれ連射性能や威力、特殊モードなどが異なる作りになっています。プレイヤーはこれらの武器を使い分けながら、相手を水浸しにしていくことになりますが、ここで重要になるのが「濡れゲージ」というシステムです。被弾を重ねるほどキャラクターの濡れゲージが蓄積されていき、十分に濡れた状態になると弾数制限が無くなり、水鉄砲を無尽蔵に撃てるようになります。攻撃を当てるほど自分が有利になっていくというシンプルながら爽快な仕組みで、背中に背負ったタンクの水はダッシュやジャンプといった移動アクションの燃料としても消費されるため、立ち回りと攻撃のリソース管理を両立させる駆け引きが生まれています。
シングルスプラッシュとマルチスプラッシュ、二つの遊び方
PEACH BEACH SPLASHには複数のゲームモードが用意されています。一人でじっくり物語を追いたい人向けには、ストーリーを進めながら戦っていく「シングルスプラッシュ」やキャラクターごとのエピソードが用意されており、腕試しをしたい人には高難易度に挑む「Vロードチャレンジ」もあります。そして本作ならではの目玉となるのが、オンライン対人戦の「マルチスプラッシュ」です。他プレイヤーと水鉄砲バトルで競い合えるこのモードのおかげで、一人用のアクションゲームが多かったシリーズの中でも、対人対戦を軸に長く遊べる作品になっているのが特徴です。
30人を超える参戦キャラクターという豪華さ
PEACH BEACH SPLASHのもう一つの魅力が、参戦キャラクターの多さです。国立半蔵学院の飛鳥や斑鳩、死塾月閃女学館の雪泉、秘立蛇女子学園の面々など、これまでシリーズに登場してきた学園の少女たちが30名を超える規模で集結しており、まさにオールスター的な一本になっています。ESTIVAL VERSUSでシリーズの集大成的なボリュームを味わったファンにとっても、さらに多くのキャラクターを操作して遊べる点は嬉しいポイントで、推しキャラクターを見つけて使い込んでいく楽しみ方ができるのも本作の強みです。
覚醒キャラクターと夢のコラボDLC
発売後には「氷王の雪泉」「真影の飛鳥」といった、秘めた力に覚醒した特別バージョンのキャラクターが有料DLCとして配信されました。それだけでなく、本作はコラボDLCの豪華さでも話題になった作品です。『デッド オア アライブ エクストリーム3』からほのか・マリー・ローズ・あやねが参戦したほか、『一騎当千』からは孫策・呂布・関羽・呂蒙、さらに『VALKYRIE DRIVE』や『超次元ゲイム ネプテューヌ』からネプテューヌまでもが登場するなど、ジャンルの垣根を越えたゲストキャラクターが次々に追加されていきました。閃乱カグラのキャラクターたちと他作品のキャラクターが同じ画面で水鉄砲を撃ち合う光景は、他ではなかなか見られない本作ならではの楽しみだったと思います。
これまでの閃乱カグラファンにもおすすめできる一本
戦闘システムこそ大きく変わっているものの、忍法帖による変身や着崩れ、ジオラマ的な鑑賞要素など、シリーズならではのお約束はしっかり踏襲されています。そのため、本編のアクションに一区切りついたタイミングで箸休め的に遊ぶのはもちろん、逆に「本編は少し苦手だけど、キャラクターは好き」という人が入り口として遊んでみるのもアリな作品だと感じます。オンライン対戦を軸にした遊び方ができる点も含めて、シリーズの中でも独特な立ち位置を持つ一本と言えるでしょう。また、2018年にはパッケージを一新した価格改定版「SUNSHINE EDITION」も発売されており、水着コードが付属するなど、後から本作に触れる人にとっても手を出しやすい形が用意されていた点も付け加えておきたいところです。
よくある質問
Q. アクションが苦手でも楽しめますか?
A. 忍者アクションだった本編に比べると、シューティングというジャンルの分だけ操作の間口は広めです。濡れゲージによって攻撃するほど有利になっていく仕組みもあるため、対戦初心者でも立ち回りやすい作りになっています。
Q. 本編をプレイしていなくても話についていけますか?
A. ESTIVAL VERSUSの続編的な位置づけですが、「陽の世界線」という明るい雰囲気の派生ストーリーなので、本編未プレイでもキャラクターたちの掛け合いを楽しむ分には問題ありません。ただしキャラクター同士の関係性を深く味わうなら、本編に触れてからのほうがより楽しめます。
Q. オンライン対戦は今でも遊べますか?
A. サービス状況は変動するため、遊びたい場合は事前に最新のオンライン対戦状況を確認することをおすすめします。オフラインのシングルスプラッシュやキャラクターエピソードは環境を問わず楽しめます。
まとめ
『閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH』は、忍者アクションというシリーズの根幹をあえて崩し、水鉄砲シューティングという新しい遊び方に挑戦した意欲作です。10種類のウォーターガンと濡れゲージによる駆け引き、30人を超えるオールスターキャラクター、そして他作品を巻き込んだ豪華なコラボDLCと、スピンオフとは思えないほどの作り込みが詰まっています。本編のシリアスな物語とはひと味違う、賑やかで開放的な閃乱カグラの世界を味わいたい人には、ぜひ触れてみてほしい一本です。
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