『ファイナルファンタジーVII』レビュー ― JRPGの歴史を変えた一本とREMAKE三部作の今

1997年にプレイステーションで発売された「ファイナルファンタジーVII」は、シリーズの中でも特別な位置づけを持つ一本です。国内外での知名度、シリーズ屈指のセールス、そして現在進行形で展開されているリメイクプロジェクト「REMAKE三部作」まで、あらゆる意味で「FFといえばVII」というイメージを作り上げた作品だと言っていいでしょう。今回はこの原作VIIの魅力と、現在のREMAKEシリーズの状況について、これから触れる人にも分かりやすいように紹介していきます。

物語の概要(ネタバレ配慮あり)

舞台は、魔晄(まこう)エネルギーによって発展した巨大企業「神羅(しんら)カンパニー」が惑星のエネルギーを吸い上げながら支配する都市ミッドガル。主人公クラウド・ストライフは、かつて神羅の精鋭部隊「ソルジャー」に所属していたという経歴を持つ元傭兵で、環境保護を掲げる反神羅組織「アバランチ」に協力する形で物語が始まります。魔晄炉の爆破作戦を通じて出会う花売りの少女エアリス・ゲインズブールとの交流、そしてクラウドの過去に深く関わる伝説のソルジャー、セフィロスの存在が明らかになるにつれ、物語はミッドガルという一都市の話から、惑星そのものの命運を賭けた壮大なスケールへと広がっていきます。クラウド自身の記憶や自己認識をめぐる展開も本作の大きな見どころで、「自分が何者なのか」というテーマは物語終盤まで丁寧に、そして重く描かれます。

なぜ「JRPGの歴史を変えた」と言われるのか

VIIが発売された1997年当時、家庭用RPGの主流はまだ2Dのドット絵表現が中心でした。そんな中でVIIは、プリレンダリングされた背景と3Dポリゴンのキャラクターを組み合わせ、さらにフルCGによるムービーシーンを大胆に採用。当時のプレイヤーに強烈な衝撃を与えました。国内だけでなく海外市場でも爆発的にヒットし、それまで一部のマニア向けというイメージが強かったJRPGというジャンルを、世界的な主流ジャンルへと押し上げる原動力になったとも言われています。発売当時のテレビCMや雑誌広告も大々的に展開され、ゲームファン以外にもその名前が広く知れ渡るきっかけになりました。シリーズ全体、ひいてはJRPGというジャンル全体の歴史を語るうえで欠かせない一本というのは、決して大げさな評価ではありません。今なお多くの開発者が影響を公言していることからも、その存在感の大きさがうかがえます。

REMAKE三部作の現在地

そんなVIIを、現代のグラフィックとアクション性の高いバトルシステムで作り直すプロジェクトが「FFVII REMAKE」シリーズです。2020年発売の第一作「FFVII REMAKE」は、原作序盤の舞台であるミッドガルのみを、圧倒的なボリュームで一本のゲームとして描き切りました。続く2024年発売の「FFVII REBIRTH」では、ミッドガルを飛び出した先の広大なワールドマップが舞台となり、原作でファンに愛されたチョコボレースやゴールド・ソーサーといった寄り道要素も現代的に作り直されています。そして物語を完結させる第三作についても、続報が発表されている段階です。単なる焼き直しではなく、原作を知っている人にも新しい発見がある構成になっている点が、このREMAKEシリーズが高く評価されている理由の一つと言えるでしょう。

原作から遊ぶ?REMAKEから遊ぶ?

「今からVIIに触れるなら、原作とREMAKE、どちらから遊ぶべきか」という悩みを持つ人も多いはずです。結論から言えば、どちらから入っても問題ありません。原作は当時のドット絵に近い雰囲気を残したプリレンダリング背景と、コマンド選択式のバトルが持つテンポの良さが魅力。一方のREMAKEは、リアルタイムアクションに近い爽快なバトルと、キャラクターの表情まで丁寧に作り込まれた現代的な映像表現が魅力です。個人的には、まず映像的なハードルが低いREMAKEから入り、気に入ったら原作にも触れてみるという順番がおすすめ。原作を知っているとREMAKEの細かい改変や新要素に「そう来たか」と驚ける場面も多く、逆にREMAKEから入ると原作のテンポの良さや当時の演出のシンプルさに新鮮な魅力を感じられるはずです。

音楽の存在感

VIIを語るうえで音楽の存在も欠かせません。作曲を手がけた植松伸夫氏によるサウンドトラックは、メインテーマの壮大さから、セフィロスのテーマ曲が持つ荘厳さと不穏さまで、物語の各場面を音楽の力で何倍にも引き立てています。特に戦闘曲「更に闘う者たち」や、ボスラッシュで流れる緊迫感のあるアレンジは今なお多くのファンに愛される名曲です。REMAKEシリーズでもこれらの楽曲はオーケストラアレンジで再構築されており、原作を知る人ほど新旧のアレンジの違いを聴き比べる楽しみがあります。原作のチップチューン的な軽快さと、REMAKEの重厚なオーケストラサウンド、どちらも異なる魅力を持っているので、両方を聴き比べてみるのもおすすめの楽しみ方です。

印象的な登場キャラクターたち

クラウドとエアリス、セフィロス以外にも、VIIには印象的なキャラクターが数多く登場します。豪快な性格ながら仲間思いのバレット、忍者スタイルで戦うイエナ出身のユフィ、ミッドガル出身の格闘家ティファ、動物のような姿ながら知性的なレッドXIII、そして特別な兵器として開発されたキャスパー・ヴィンセントなど、パーティメンバーそれぞれに濃い背景設定が用意されています。REMAKEシリーズではこうしたサブキャラクターたちの掘り下げがさらに強化されており、原作では描かれきらなかった各キャラクターの心情や関係性が、より丁寧な会話劇として補完されているのも大きな見どころです。

初心者が押さえておきたいポイント

これからVIIに触れる人向けに、押さえておきたいポイントを簡単にまとめておきます。まず原作をプレイする場合、当時のシステムに慣れるまで多少の時間がかかりますが、マテリアと呼ばれる魔法・スキルを付け替えるカスタマイズシステムは非常に自由度が高く、じっくり触っているうちに自然と理解できる作りになっています。REMAKEシリーズから入る場合は、アクションとコマンドのハイブリッドという独自のバトルシステムに最初は戸惑うかもしれませんが、難易度設定も複数用意されているため、アクションが得意でない人でも安心して物語に集中できます。どちらから入るにしても、「最初の数時間でシステムに慣れる」というくらいの気持ちで進めるのがおすすめです。

まとめ

ファイナルファンタジーVIIは、発売から30年近く経った今もなお色褪せない、シリーズを代表する一本です。原作でシンプルながら濃密な物語体験を味わうもよし、REMAKEシリーズで現代基準の映像とバトルで楽しむもよし。どちらの入り口から触れても、クラウドたちの旅の重みはしっかりと伝わってくるはずです。ミッドガルの薄暗いスラム街から、広大な地上世界、そして惑星の運命を左右する終盤の展開まで、物語のスケール感の変化そのものが本作最大の醍醐味だと言えます。FFシリーズに初めて触れるという人にも、まず間違いなくおすすめできる一本だと思います。REMAKE三部作の完結を待つ間に、ぜひ原作にも触れて、このシリーズの原点を体感してみてください。

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