『英雄伝説 零の軌跡』レビュー ― 舞台はクロスベル、探偵気分で楽しむ新章の幕開け

空の軌跡三部作の完結から少し時を経て、舞台をクロスベル自治州に移した新章が『英雄伝説 零の軌跡』です。リベール王国の物語とは異なる空気感と、探偵事務所を舞台にした新しい切り口で、多くのプレイヤーを惹きつけた一本です。

特務支援課という「何でも屋」の物語

主人公ロイド・バニングスは、クロスベル警察の特殊組織「特務支援課」に配属された新米捜査官です。この特務支援課は、表向きは警察組織でありながら、実態はクロスベルで起きるさまざまな厄介事を何でも請け負う「何でも屋」的な立ち位置。空の軌跡の遊撃士協会とはまた違った形で、街のあちこちで起きる事件や依頼に首を突っ込んでいく展開になっており、探偵ものやハードボイルドな雰囲気を好む人にも刺さる作りになっています。

クロスベルという街そのものが主役級の存在感

零の軌跡最大の魅力は、クロスベル自治州という街の作り込みです。大国リベールとエレボニアに挟まれた自治都市という特殊な立場から生まれる政治的な緊張感、そこで暮らす人々の生活感が丁寧に描かれており、街そのものがまるでもう一人の主人公であるかのような存在感を放っています。空の軌跡を未プレイでも十分に楽しめる作りになっているため、「軌跡シリーズに初めて触れる」という人の入り口としてもよく挙げられるタイトルです。

テンポの良い事件解決型のストーリー構成

空の軌跡が「日常パートを丁寧に積み重ねて後半に事件が動く」構成だったのに対し、零の軌跡は各章ごとに一つの事件を解決していく、比較的テンポの良い構成になっています。そのため物語のノリが軽快で、遊びやすいと感じるプレイヤーも多いタイトルです。もちろん、シリーズおなじみの「終盤で一気に大きな真相が明らかになる」展開もしっかり用意されており、油断できません。

戦闘・システム面のブラッシュアップ

戦闘システムは空の軌跡シリーズの流れを汲みつつ、テンポやUIが大幅に洗練されています。より遊びやすくなったコマンドバトルに加え、キャラクターごとの個性がはっきりした戦闘スタイルが用意されており、パーティ編成の楽しさも増しています。

まとめ

『零の軌跡』は、リベール王国の物語とはひと味違う、探偵ものらしいテンポの良さと、クロスベルという街の魅力が詰まった一本です。軌跡シリーズにこれから触れる人にも、空の軌跡から続けてきたプレイヤーにも、それぞれの楽しみ方ができる懐の深い作品と言えます。

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