2018年に発売された『メタルギアサヴァイヴ』は、小島秀夫監督が離れた後のコナミが手がけた、シリーズとして初めての本格的なサバイバルアクションです。『グラウンド・ゼロズ』や『ファントムペイン』で使われたFOXエンジンを土台にしつつ、これまでのシリーズとはまったく異なる方向性に舵を切った本作は、発表当初から大きな話題と同時に、少なからぬ賛否も呼びました。この記事では、当時の評価も踏まえつつ、本作を公平な視点で紹介していきます。
もう一つの次元に転送されたマザーベース
物語は『グラウンド・ゼロズ』のラストで描かれたマザーベース襲撃事件の直後を舞台に、謎の次元の裂け目に巻き込まれ、異次元へと転送されてしまった兵士たちを主人公に展開されます。正史の重厚な物語とは一線を画す、SF色の強いパラレルワールドとしての位置づけが与えられており、シリーズのメインストーリーとは切り離して楽しむ作品として企画されたことがうかがえる構成になっています。この設定変更に戸惑ったファンも多かった一方、既存のシリーズの重みを引きずらない身軽さがあるとも言えます。
クラフトと拠点防衛が軸のサバイバル要素
本作の中心となるのは、資材を集めて武器や罠を作り、拠点を強化しながら異形の敵「ワンダラー」の襲撃に備えるというサバイバルクラフトのシステムです。空腹や渇きの管理といった生存要素も盛り込まれており、これまでのステルスアクションとはまったく異なるゲームデザインに戸惑うファンも少なくありませんでした。しかし拠点の防衛ラインを試行錯誤しながら組み立てていく過程には独自の面白さがあり、ジャンルとして真正面から向き合えば手応えのある内容に仕上がっています。
4人協力プレイで輝く拠点防衛戦
本作は最大4人での協力プレイに対応しており、仲間と役割分担しながら押し寄せる敵の波を凌いでいく拠点防衛戦は、本作で最も評価が高いコンテンツのひとつです。罠を仕掛ける係、前線で敵を食い止める係など、パーティ内で連携を練りながら難局を乗り越えていく緊張感は、ソロプレイとはまた違った本作ならではの魅力を放っています。協力プレイならではの一体感を求めるプレイヤーにとっては、じっくり腰を据えて楽しめる作りになっています。
発売当時の厳しい評価とその背景
本作は発表時から、小島監督不在での新作という点や、既存のアセットを流用したサバイバルゲームという方向性そのものに対して、シリーズのファンから厳しい視線が向けられていました。実際に発売後のレビューでも、シリーズの核であったステルス性の弱さや、素材集めの単調さを指摘する声が多く見られ、過去のナンバリング作品と比べると評価が伸び悩んだのも事実です。こうした背景を踏まえた上で本作に向き合うことで、何が受け入れられ、何が期待とすれ違ったのかをより深く理解することができます。
随所に残るシリーズらしい隠し味
方向性こそ大きく異なるものの、段ボール箱を使った潜入行動や、無線でのやり取りなど、シリーズおなじみの要素も随所に残されています。ストーリーの終盤では、これまでのシリーズと地続きの世界観であることを感じさせる展開も用意されており、「まったくの別物」と切り捨てるにはもったいない、シリーズとの繋がりを感じさせる瞬間も存在しています。こうした細部への目配りは、開発陣がシリーズへの敬意を持って本作に取り組んでいたことをうかがわせます。
アップデートを重ねて磨かれた完成度
発売直後は荒削りな部分も目立った本作ですが、その後のアップデートを通じて、バランス調整や新規コンテンツの追加が継続的に行われました。発売当初のイメージのまま止まっている人も多いかもしれませんが、現在の状態で改めて触れてみると、発売当時よりも遊びやすく調整されている部分が多いことに気づかされます。第一印象だけで評価を固めてしまうのはもったいない一本だと言えます。
個人的な感想
本作をプレイする前は、周囲の厳しい評判もあって身構えていましたが、実際に拠点防衛戦に没頭してみると、想像していた以上に手応えのあるゲームデザインだと感じました。もちろんナンバリング作品と同じ物差しで比較すれば見劣りする部分があるのは否めませんが、サバイバルクラフトというジャンルの一本として捉え直すと、真剣に作り込まれた良作だという印象を持っています。シリーズのイメージを一度脇に置いて、フラットな目線で触れてみることをおすすめしたい一本です。発売当時の逆風の大きさを考えると、ここまで遊びごたえのある内容に仕上げてきた開発陣の努力には素直に敬意を表したいと思います。
ソロプレイでも楽しめる作り込み
協力プレイの評価が高い一方で、ソロプレイ専用のキャンペーンモードも決して手を抜いた作りにはなっていません。一人で黙々と資材を集め、拠点を強化しながら物語を進めていく過程には、これまでのシリーズにあった孤独な潜入劇に通じるものがあり、じっくり自分のペースで遊びたいプレイヤーにも配慮された設計になっています。仲間がいなくても十分に遊び応えのあるボリュームが用意されている点は、意外と見落とされがちな本作の美点のひとつです。
異形の敵ワンダラーとの緊迫した戦い
本作に登場する敵「ワンダラー」は、これまでのシリーズに登場した人間の兵士たちとは一線を画す、不気味な異形の存在として描かれています。群れで襲いかかってくる雑魚敵から、拠点防衛戦を大きく揺るがす特殊な個体まで、種類も豊富に用意されており、限られた資材の中でどう立ち回るかを考えさせる緊張感のある戦闘が展開されます。銃弾を温存しながら近接武器や罠を駆使して切り抜けていく駆け引きは、従来のシリーズにはなかった新しい緊迫感を生み出しています。
よくある質問
正史の物語を知らなくても楽しめる?
『グラウンド・ゼロズ』の展開を把握していると導入がよりスムーズに理解できますが、本作単体でも独立した物語として楽しめる作りになっています。パラレルワールドという設定のため、正史の知識がなくても大きな支障はありません。気軽な気持ちでまず触れてみることをおすすめします。
今から遊ぶにはどうすればいい?
PS4・Xbox One・PC向けに発売されており、ダウンロード版であれば現在でも比較的入手しやすい状況です。オンライン対戦・協力要素を含むサービスの提供状況は変化することがあるため、購入前に最新の対応状況を確認しておくと安心です。中古市場でもパッケージ版を見つけやすいタイトルのひとつです。
まとめ
『メタルギアサヴァイヴ』は、シリーズの方向性を大きく転換したことで賛否を呼んだ一本ですが、サバイバルクラフトというジャンルに真正面から向き合った意欲作でもあります。発売当時の評価だけで判断せず、拠点防衛戦や協力プレイの手応えを実際に体験してみることで、この作品ならではの魅力が見えてくるはずです。シリーズの多様な挑戦の歴史を語る上で、避けて通ることのできない一本だと言えます。先入観を一度リセットして向き合うことで、思いのほか長時間遊び込んでしまう自分に気づくかもしれません。
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